「ネガティブ思考クイーン」
すごい言葉です。
初めて聞きましたが、すぐに言葉の意味は理解できますね。
読んだ本
それでいい。
本の概要
ネガティブ思考クイーン"の漫画家・細川貂々が、
精神科医で「対人関係療法」の第一人者・水島広子に会いに行く、等身大の成長物語。ネガティブな性格で生きづらい、自分を“ダメ人間"と思ってしまう、
コミュニケーションのとり方がわからない、そもそも人づきあいがニガテ、
ネガティブな人を引き寄せてしまう、人に振り回されることが多くて疲れる……etc。そんな人生をラクにするコツは、「当たり前の気持ち」を受け入れて、自分を認めること。
そのヒケツは、対人関係の「ズレ」と「役割期待」にあり。
対人関係が健康であれば心も健康であり、対人関係に自信があれば人生にも自信がもてる。
生きづらさを克服するための対人関係入門書。
まとめ(と独り言。)
「私をネガティブ思考クイーンに育てたのは母だった」
とまで言っている著者である細川さんは幼い頃から母親にこう言われ育ってきました。
- あなたは何もできないコだから何もしなくていい
- 人には自分のことを悪く言いなさい
- ネガティブな自分を演出して生きるのが人生をうまく生きる秘訣
そのためいつも人生においてネガティブに考えたり、人付き合いも上手くいかないという生活を送っていました。
この本のきっかけとなったのは、読者から精神科医である水島先生を紹介されたことでした。
そこで『人間は身近な人の人間関係によって大きな影響を受けている』との考え方に基づいた対人関係療法という治療法をおこなっていきことになります。
対人関係療法という言葉自体、初めて聞いたのですが、なかなか面白くためになる話がたくさんありました。
僕はわりと細かい性格なので、日頃から運転中や日常生活で人に怒ることがあります…
と言っても、殴ったり怒鳴ったりはしませんのでご安心ください。笑
この本の中で、怒りという感情は
自分が困った状況に置かれていることを示す感情
と書かれていました。
確かにそうです。例えば、運転中に前の車がウインカーを出さずに曲がり、危ない目にあったとき怒るのは当然ですね。
また本の中では役割期待のズレという言葉がでてきます。
人と人との関係には必ず期待されている役割があるのですが、その期待がズレてしまうとストレスになっていくようです。
特にネガティブに生きる人間は自分以外の人間は優秀である…
という幻想の世界に生きている人が多いといいます。
これにたいして、人間の8割はボーッと生きているため、優秀な人なんて少ないと考えて他者に過度の期待をしない、またある程度のことは妥協するといった対応も必要となっていきます。
人間関係とは難しいもので、振り返ってみると僕も良く
「普通は~じゃない?」とか
「最低でもこれくらいは…」とか
自分の価値観の中で、ある意味では相手に過度の期待をしてしまっているなと感じました。
すれ違っただけの見知らぬ人、車の中で会話することすら無い人に役割期待をしすぎた結果、ストレスを感じるのは仕方ないことですね。
こうした役割期待のズレを生み出す要因として
- 言葉足らず
- 相手に遠慮する
- 自己主張が足りない
といったことがあげられます。
またそれに関連して、舌打ちやため息のような言葉を使わないコミュニケーションは相手には伝わらずズレる、沈黙することは破壊的なコミュニケーションであるとも書かれています。
ギクッと感じた方もいるはずです。
僕もよくやってしまうので…
沈黙に関しては、続けてこうも書かれています。
黙ったままだと何も分からない
黙ることは完全なコミュニケーションの放棄
役割の期待を伝える意味では生産性がゼロ
耳が痛い…あ、目ですね…
僕自身、言っても分かり合えない人の場合、最終的には沈黙を選んでしまいますが意味がないと言われたらそうですね。
ズレを修正するためには相手への役割期待を現実的なものに変えたり、コミュニケーションの方法を変えることが必要になるようです。
なかなか難しいですね。
自分がストレスを感じたときはそれまでのコミュニケーションを振り返ってみる
人に対して過剰な期待をしている人の場合は、いい意味で妥協する、役割の期待を調整する。
そうではない場合、自分への期待を妥協することが大切なようです。
ネガティブな人でもありのままで良い、変わるべきときはいずれくるので無理はせずに自分のタイミングで変われば十分です。
またこうも書かれています。
それでいい。と自分を認めてあげる。
正確には今の自分はこれで良いということを認めた上で、でもできればこういうふうになっていきたいなと考える
感情を大切にする、またそれは人間だから当たり前だと思う。
このような考え方で自分のネガティブな気持ちに優しくなって自分を認めていってあげてください。
僕自身、あまり作者の気持ちや考え方には同意できなかったのですが(僕は言いたいことははっきり言える性格なので…)それでもこの本を読んで、共感できる部分や考え方もたくさんありました。
特にP156の どんな人も頑張っている という項目にあった言葉
何の理由もなく怠けている人はいないのです
という考え方は面白いなと感じました。
なんでもそうですが、やはり人間は人それぞれですね。
関連作品
生きづらい毎日に それでいい。実践ノート
やっぱり、それでいい。: 人の話を聞くストレスが自分の癒しに変わる方法