あっと。の雑記帳(仮)

と、ある事情により世間知らずのままオトナになってしまった僕が様々なものから良い影響を受け、ちゃんとした大人になるために始めたブログ的なもの。主に感動を受けたものについてのレビュー的な書き込みをする(予定)です。

【兄ちゃんは、十年後から戻ってきたんだよ】 スターティング・オーヴァー

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ネタバレ注意

 

『あなたの時間を10年戻してあげる』

 

と言われたら、あなたはどうしますか?

僕もたまに想像するんです。

 

あの時こうなることを知っていたら…

あの時違う選択をしていたら…

 

人生において「たら、れば」は禁物。

現実をみて生きていかなければなりません。

ただ、もしもこうだったら…  と考えるのもたまには楽しいですよね。

 

読んだ本

 スターティング・オーヴァー

 著者:三秋 縋

 

本の概要

裏表紙より

二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。全てをやり直す機会を与えられた僕だったけど、いくら考えても、やり直したいことなんて、何一つなかった。僕の望みは、

「一周目の人生を、そっくりそのまま再現すること」だったんだ。
 しかし、どんなに正確を期したつもりでも、物事は徐々にずれていく。幸せ過ぎた一周目の付けを払わされるかのように、僕は急速に落ちぶれていく。――そして十八歳の春、僕は「代役」と出会うんだ。変わり果てた二周目の僕の代わりに、一周目の僕を忠実に再現している「代役」と。

 

本を読んだ後ならこの概要を理解できるのですが、こうやって改めて見ると複雑すぎてどんな話かあまり伝わってきませんね。

中身がとても気になる文章です。

(自分的に)心に響いた台詞や文章

これは、二十歳の誕生日を迎えた僕が、十歳まで時を巻き戻されて、再び二十歳になるまでの話だ。

えっ!!

と思わず声に出しました。

突然の始まり方です。

なんで? 何があった? これからどうなるの?

と思わず、気になってしまう書き出しです。

 

人生には後悔が付き物。

誰だって、1周目の反省や教訓を活かしてもっと優れた二周目を目指すはずさ。後悔が先に立ってくれるんだからね。

記憶が残ったまま10年前に戻ったら…

起きること、回避すべきこと、全て分かっているのでそれはそれは凄い子どもになります。

本の言葉をかりると前回の記憶や能力を引き継いでもう一度同じ過程を繰り返す。つまり「つよくてニューゲーム」ってやつです。

当然、主人公もこのチャンスを…

全く生かそうとしないんです。変わり者です。

 

世の中には、いい人と悪い人がいるっていうよりは、いい環境で育った人と悪い環境で育った人がいるってことだけなのかもしれない。

少なくとも僕は、遺伝なんて大した問題じゃないと思うよ。

主人公は二周目の余裕からか、一周目で付き合うはずだった「ツグミ」にふられてしまいます。

そして「幸運の女神」を失った彼は【強風の中に放り出されたビニール袋のように無力】になってしまうのです。

10年前と同じ人間にも関わらず、「一周目」とは全く別の人間になってしまった主人公の言葉なのでとても説得力があります。

 

代役を、降板させればいいんだ

殺害計画を思いついてからというもの、しばらく僕の性格はとっても明るくなっていたんだ 

主人公は元の自分の人生(一周目)が諦めきれないので、二周目の「ツグミ」の彼氏である「トキワ」に対し敵意の気持ちを込めて「(自分の)代役」と表現します。

またあろうことかその代役であるトキワを殺害しようと色々と行動するようになります。

この殺害計画こそが二周目の主人公にとって、まさに人生の転機になったと思います。

実際に殺害はしませんが、ここから物語が大きく動き出します。

 

まとめ(と独り言。)

文章がずっと主人公の語り口調で書かれているのでスラスラと読めます。

殺害計画…だとか自殺…

だとか物騒な感じの中盤でしたが、その文体はなぜかどんどんと軽やかになっていった印象です。

後半にむかうにつれ一周目をなぞることを諦めたことが結果として主人公をいい意味で変えていったのかもしれません。

僕はこの本を読む前に【三日間の幸福】を読んだのですが、その時はまんまと著者の思惑にハマってしまったのですが、今回もまんまとハマってしまいました。

 

あんなにこだわっていたはずの運命の相手が間違っていた。

だけではなく、最初からさりげなく何度も「腐れ縁」的な扱いで登場していたヒイラギが一周目の彼女だった。

だけではなく、ヒイラギもまた同じように十年間を遡っていた。

だけではなく、一周目のクリスマスの日(時間が巻き戻った日)、停電による交通事故により主人公と彼女、2人とも死んでしまっていた。

 

なんて全然予測できませんでした。

今回もまんまとやられましたね…

 

「幸運の女神」は言葉通り、人生を変える。

またそれを支えた名脇役の妹はとてもいいキャラでした。

そして僕の中の一番の謎…

一周目の人生で恐らく親友だったはずのウスミズくんはその後一体どこに??

 

関連作品

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)

君が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)

いたいのいたいの、とんでゆけ (メディアワークス文庫)